東松山市 S邸

概要
所  在  地 : 埼玉県東松山市
用     途 : 専用住宅
構 造 規 模 : 木造2階建て
延べ床面積 : 122.14u
竣  工  年 : 1999年4月
 設計趣旨
 市の中心にほど近い住宅街に建つ4人のための専用住宅。奥様のピアノ教室のためのレッスン室が居間につながり、平常は広がりのある空間、レッスン時には公私を分けた使い方が出来るプランニングとした。
 玄関へのアプローチに奥行きを持たせるため、杉板の面格子を用い、奥へと導いている。またその面格子が、ポーチ部分の視線保護の役目も果たし、雰囲気のあるアプローチを作っている。

 設計MEMO
高断熱高気密、バリアフリーに高耐久、今ちまたにあふれている既製品の住宅に多く用いられている合言葉。
快適性を求めていくと、いったいどこまで行ってしまうのだろう。
本来人間には順応性、免疫力といった本来生物として持っている力があるはずではないか。
寒い思いをして欲しいわけではない。ちょっとした段差でけつまずいて欲しいわけでもない。
その季節季節にあった暮らし方があるわけだし、その使われる材料、木材、塗り壁といったその素材の持つ特性を生かした人間の五感に訴える建築、住まいというモノがあるのではないか。

この桜井邸も、真壁が主体、2階床は38ミリの飯能産のサワラの無垢板で、1階の天井仕上げを兼ねている。
核家族だから出来るやり方。そして外壁通気のし様。シンプルな作りの中だが、人に優しい作法。